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InterviewPresidentインタビュー

想いと試練

  私は、かつて都内の大手コンピュータ会社でシステム営業として働いておりましたが、 20代後半に「地域社会に貢献できないか」また「地域特有の伝統産業をシステムで活性化できないか」との想いが強くなり、 当時の上司に相談し地元石川にUターンすることになりました。
  そして、前会社との関係も深かった会計事務所兼電算センターでオフコンやパソコンを中心とした市場開拓に従事しました。

  その後、1992年4月 個人創業のソフトランディング(旧社名)は、自宅一室からのスタートでした。
  当時はバブル崩壊直後で国内経済が大混乱の中、今思えば若さゆえの過信があったのでしょう。 起業のタイミングも無謀・無策であり当然のことながら夢と現実のギャップに苦しみながらの船出でした。33歳の時です。

  翌1993年にMS社からWindows3.1が国内発売され、のちに自社開発したNC加工機自動変換システムや独製汎用CADソフトの国内販売を開始しました。 Windows版の誕生でした。
  また地元の酒造会社からシステム開発の依頼を受けたのもこの時期でした。
  日々、酒蔵の製造現場に赴き、生産工程や税務申告関連の帳簿を一から教えていただきながらの開発でした。
  現場主義を徹底し、何度も開発検証を重ねながらようやく運用稼動に漕ぎつけました。
  酒造業管理システム「酒仙」1号機の完成です。
  DM戦略にてレスポンスをいただいた酒蔵に訪問し、デモ提案やプレゼンを行いながら徐々に全国展開をしてまいりました。当時は地酒ブームの追い風もありました。

初代酒仙

  そして現在では300社を超える酒造会社の運用保守を行っております。
  常に伝統産業の活性化と新たな未来社会の実現というビジョンは崩さず、客観的な視点からシステム開発を繰り返し、未来社会や酒造業界の在るべき姿を模索しております。

時代変遷とデジタル化へのシフト

  創業以来30年間、阪神・淡路大震災・東日本大震災など数々の自然災害やバブル経済崩壊、リーマンショックなど激動の時代を経験してまいりました。
  特に近年の新型コロナウィルス感染拡大は、酒を取り巻く環境を大きく変化させるものでした。
  度重なる緊急事態宣言や蔓延防止重点措置等で外飲み需要の低迷が続き、酒類業界全体に多大な影響が出ました。
  一方では家庭消費の伸びや海外日本酒ブームにより輸出が伸びを見せており、今後更なる日本産酒類の訴求が期待されるところです。

  このような状況下で、ティー・エス・アイの新たな取組みとして、自社製品の加速度的なデジタル化シフトが上げられます。
  特に、酒造業管理システム「酒仙」では、生産性を高めるAI予測や分析機能、またEC支援システム「酒Q」との連携は、大幅な業務負担の軽減が図られ工数削減が期待されます。

信頼関係と価値共有

  システム運用に於ける定期的な保守では、遠隔リモート保守やWebコンサルサポート、対面コンサルサポートそしてセキュリティインフラに至るまで、 お客様との信頼関係を強化させております。
  このように弊社では精鋭なプロ集団がお客様のシステム要求を踏まえた未来図を描き具現化させて行きます。
   そこには、お客様と対等な立場で相互理解を重ね、価値観を共有することが前提であり、永続的な信頼関係の構築に繫がると考えるのです。
  ティー・エス・アイは“酒造り”という伝統産業の活性化と、新たな未来社会の実現に向け、デジタル化へのあらゆる研究開発に取り組んでまいります。

  ありがとうございました。

株式会社ティー・エス・アイ
代表取締役寺 良彦